アダルトアニメの声優さんの録音の仕事が回ってきた

私のかっこいいと感じた人は、当時の会社の社長です。当時50代後半くらいのおじさま、社長なのでほとんどあった事がなかった人です。私が24歳くらいの頃、会社でアダルトアニメの声優さんの録音をする仕事がありました。誰もやりたがらない仕事なのですが、いつも順番にまわってくるとのことで、今回は私がする事になったとデスクの人に言われました。

私は絶対やりたくありません、なぜ男の自慰行為の材料を作る仕事をしなきゃいけないのですか、私は親に言えないような仕事はしませんと申しました。そう致しますと部長が出てきて、私に仕事を選ばずやれと言うではありませんか。

びっくりして、あなたは自分の子供にこんな仕事させたいのですか?と聞いたところ、当たり前だ、仕事なんだから当然だろと怒りまくられました。それでも私はやらないの一点張りでおりましたので、ここで部長が社長に相談したらしく、普段は行かない社長のいるビルまで電車に乗って行く事になりました。

そういう内容の仕事か、それはいかん、宗教関係とアダルト関係で無理を言うのはいかん、すまなかった

行ってみると、社長はもはや角が生えてるんじゃないかというほどの怒っていらっしゃるお顔で、私に仕事をしたくないとはどういうことだ、選んでいる場合じゃないんだぞとおっしゃりました。私はアダルトビデオの仕事や、親に言えない仕事はしたくない、それでもやれというなら、今限りでこちらの会社を辞めますと申しました。

そうしますと、部長から何も聞かされていなかったらしい社長は、そうかそうか、そういう内容の仕事か、それはいかん、宗教関係とアダルト関係で無理を言うのはいかん、すまなかったと頭を下げられました。

私はまさか理解していただけるとは思っていなかっただけに、かなりびっくりしましたが、それと同時に年下だろうと無能だろうと、間違っている事をした時はちゃんと謝る精神の社長に変な意味ではなく、人間として惚れてしまいました。ほんとうに格好いい!です。

社長の為に仕事頑張ります人間になった

というわけで、猪突猛進の私はこの人についていくとその瞬間から決めて、社長の為に仕事頑張ります人間になりました。この事件後、女の子にアダルトの仕事が行く事はなくなってほっとしました。社長は私にどんどん思った事は教えてくれ、相談にも乗るからと言われ、ますます頑張ったのを覚えております。

そして時は経ち、社長が60歳になった時に引退されました。その話を聞いて、私の仕事に対するテンションがぷっつりと切れ、もうよく頑張ったかな、ここの会社を私も卒業しようかなと思い、フリーランスで活動していく決意をしました。あれから10年経ちますが、ちょうど良いタイミングで会社を辞めれて、今も順調に働いております。社長のおかげで今があります。女子の気持ちを理解しようとしてくれた社長に感謝してます。