鼻と口の周りに4つほどある大きなほくろ。自分の顔が嫌いだった。

29歳、女性、専業主婦です。私のコンプレックスは、顔にあるほくろでした。一つではないのです。ぷっくりと膨らんだ大きなほくろが、鼻と口の周りに4つほどついています。いつできたのか記憶はありませんが、幼少期の写真にはもう、ほくろのある顔が写っています。これがあることで、自分の顔が嫌いでした。

私には妹がいます。真っ白で華奢に生まれた妹は、美人になると評判でした。幼いながらの嫉妬心は、わかりやすい、妹との違い、つまり顔にたくさんのほくろがあるか、ないか、というところに向いたのだと思います。「このほくろがなければ、私だってもうちょっと可愛いのに。。。」そんな思いがありました。一人で鏡に向かって、ピースなどをし、どうにかほくろ隠すことができないか、と試行錯誤していた記憶があります。

このほくろを剥がしたい、と、爪で引っ掻いてみたことや針で刺してみたこともありました。「触ると大きくなるよ」との母の言葉に、傷つけるのはすぐにやめましたが。小学生になっても、中学生、高校になっても、「ほくろがなければなぁ」という思いを持ち続けていました。

さすがに、成長につれ、妹への嫉妬などはなくなりましたが、それとは別に、「ほくろが嫌」は育っていきました。周りの友達をみても、こんなにほくろが顔にある人はいませんでしたから。そのうち、顔中ほくろになってしまったらどうしよう、と心配になったこともありましたし、レーザーで取ることができると知った日には、いつかとろう、と思ったものでした。

テレビで見た綺麗な女優さんの顔に、私と同じ位置にほくろがあってコンプレックスが解消されていった

そんな私のコンプレックスが、なんでもないものになったのは、些細なことでした。名前は忘れてしまいましたが、テレビで見かけたある女優さんの顔に、ほくろがあったのです。それも、鏡のように、私の顔の四つのほくろとほぼ同じ位置にです。

「私だけじゃなかったの?!」と驚くと同時に、不思議な安堵感を覚えました。そして、その女優さんをきれいな人、と思ったのです。ほくろがあって。。。とは思いもしませんでした。そのことは高校生の私にとって、大きな発見でした。

そして、ガチガチになっていたほくろへのコンプレックスは消えてしまいました。自分と似た、いきいきした人をみて、「関係ないんだ」と思え、むしろ、チャームポイントだと思えたのです。今では、自分の顔にほくろがあるのが自然です。とってしまったら私ではないかも知れないと思っています。

外見のコンプレックスは、それを抱くきっかけにもよりますが、なかなか根深いものもあると思います。頭ではわかっていても、なかなか感覚として、変わらなかったり、それでも嫌、という思いから抜け出せなかったり。

人は見た目じゃない、と言います。そんなのきれいごと、と思うかもしれませんが、内面から外見に出るものがあるのも事実で、それだけで人に与える印象は変わると思います。そして、そっちが大切だったりするのかも知れません。自分はかわいくない、と長年ほくろがある顔を嫌っていた私ですが、そこから抜け出し、「笑顔がいい」「愛嬌がある」と褒められています。